GlobalBoxby B.A.D

英語サイトに置くllms.txt — 置き方と、置いても変わらないこと

英語サイトの生成AI対策を調べると、必ずと言っていいほど「llms.txtを置きましょう」という話が出てきます。では実際に、ChatGPTやClaude、GoogleのAIは、英語サイトのllms.txtを読みに来ているのでしょうか。

B.A.Dが運営するサーバーの14日間の記録では、ClaudeBotやGPTBotなど主要なAIのクローラーが、サイトのページを合計約4万回読みに来ていました。そのうち約7,300回は、ユーザーの質問に答えるために、ChatGPT・Claude・Perplexityがその場で当社のページを読みに来たものです。実際に、AI経由でサイトを訪れる方がおり、ChatGPTで当社を知って採用に応募された方もいます。

一方で、llms.txtを取りに来たAIのクローラーは、1つもありませんでした。AIはサイトの中身を読んで回答に使っていますが、llms.txtは見ていない、というのが実態です。この記事では、その実測結果と、それでも英語サイトにllms.txtを置くときの書き方、そして置くだけでは変わらないことをまとめます。

llms.txtとは

llms.txtは、サイトの要点を、生成AIが読みやすいMarkdown形式でまとめてサイトの最上位(/llms.txt)に置くファイルです。2024年9月に、Jeremy Howard氏が提案しました(llmstxt.org)。

検索エンジン向けの robots.txt や sitemap.xml と違い、どこかの団体や検索エンジンが定めた標準ではありません。あくまで提案の段階にあるものです。

AIはサイトの何を読んでいるか(14日間の実測)

2026年9月12日から26日までの14日間、B.A.Dが運営するサーバー(公開サイトと社内ツール)の記録(約30万件のアクセス)を、クローラーの名乗り(User-Agent)ごとに集計しました。

クローラー運営全アクセスrobots.txtllms.txt
ClaudeBotAnthropic5,0461,1400
GPTBotOpenAI3,38300
OAI-SearchBotOpenAI3,1039380
ChatGPT-UserOpenAI2,82800
Claude-UserAnthropic2,41950
Perplexity-UserPerplexity2,06600
GooglebotGoogle3,2012740
PerplexityBotPerplexity2,339400
ApplebotApple2,5821520
bingbotMicrosoft1,4181150

名前が「-User」で終わる3つ(ChatGPT-User・Claude-User・Perplexity-User)は、ユーザーがAIに質問したとき、AIが答えを作るためにその場でページを読みに来たアクセスです。14日間で合わせて約7,300回ありました。当社のページが、AIの回答の材料として使われているということです。

実際に、ChatGPTなどのAI経由でサイトを訪れる方もいます(Googleアナリティクスの集計で、直近90日に約80回の訪問)。採用サイトには、ChatGPTで求人を探して当社を知り、応募された方もいました。

表のほかに、Claude-SearchBot・Meta・ByteDance・Common Crawl・Amazonのクローラーも調べましたが、llms.txtを取りに来たものはありませんでした。llms.txtを取得していたのは、SEOツールやサイト分析サービスのクローラーだけでした。

つまり、AIはサイトの中身を読んで回答に使っているが、llms.txtは見ていない、というのが今回の結果です。GoogleのJohn Mueller氏も2025年6月に「現時点でllms.txtを使っているAIシステムはない」と述べています。

注:B.A.Dが運営するサーバー(日本語サイトが中心)・14日間・名乗りでの集計です。名乗りを偽るクローラーもいるため、完全な数ではありません。ほかのサイトや、今後の動きでは結果が変わる可能性があります。

それでも英語サイトに置く意味はあるか

検索順位やAIでの引用を目的にするなら、今のところ効果は期待できません。一方で、置くこと自体の手間は小さく、次のような場面では役に立つ可能性があります。

  • ユーザーが自分でURLを渡してAIに読ませるとき、要点が1枚にまとまっている
  • 今後、AIの側がllms.txtを読むようになったときに、すでに用意できている
  • 「英語で、自社の何を一番伝えるべきか」を社内で整理するきっかけになる

GlobalBoxでも、自社サイトにllms.txtを置いています。ただし、それは本体ではなく、あくまで補助として位置づけています。上の1つ目と2つ目、AIにURLを渡されたときの要約と、将来への備えのためです。

英語サイトにllms.txtを置くときの書き方

  1. 置き場所は英語サイトの最上位:https://(英語サイトのドメイン)/llms.txt。日本語版と同じドメインで英語を /en/ に置いている場合も、ファイルはドメインの最上位に1つです。
  2. 英語で書く:読み手は英語で質問する海外の意思決定者とAIです。日本語版の要約を置かない。
  3. 最初に会社名と一文の要約:見出し(H1)に会社名、その下の引用(>)に「何の会社で、誰に、何を提供しているか」を一文で。
  4. 比較に使われる事実を書く:主力製品、対応できる仕様や数量、取得している認証、対象の国・地域、問い合わせ先。
  5. リンク先は英語のページだけ:製品ページ、事例、仕様書、問い合わせページへのリンクを並べる。
  6. ページと食い違わせない:llms.txtだけに書いてある情報は作らない。ページを更新したら、llms.txtも直す。

架空の精密部品メーカーの例:

# Example Precision Co., Ltd.

> Japanese manufacturer of precision machined aluminum parts for semiconductor equipment, supplying OEMs in North America and Europe.

- Materials: aluminum alloys (6061, 7075), stainless steel
- Tolerances: down to ±0.005 mm
- Certifications: ISO 9001, ISO 14001
- Lot sizes: prototypes to 10,000 pcs/month

## Products
- [Vacuum chamber components](https://example.com/en/products/vacuum/): ...
- [Custom machining](https://example.com/en/products/custom/): ...

## Company
- [Case studies](https://example.com/en/case-studies/)
- [Contact / Request a quote](https://example.com/en/contact/)

llms.txtを置いても変わらないこと

  • 検索順位は上がりません。Googleはllms.txtを使っていないと述べています。
  • 生成AIに引用されるようにはなりません。AIが読んでいるのは、ページそのものです。
  • 英語ページの中身の問題は解決しません。海外の意思決定者が使う言葉で書かれていない、比較に必要な事実がない、といった問題は、ページを直さない限り残ります。

英語サイトを生成AIに引用させるうえで効くのは、llms.txtよりも、英語ページの中身と、検索エンジンに正しく認識されていること、そして自社サイトの外で英語でどう書かれているかです。

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